水の形
水の形って見たことありますか?
日光が当たってキラキラ光る水面、激しい風に煽られて反り立つ波には、水そのものの形をみることができます。

不定の形
水には固有の形がありません。コップに注がれればコップの形に、瓶に入れば瓶の形に従います。
けれども、それは「水そのものの形」ではなく、あくまで「器の形」を映し出しているにすぎません。
それでも水は、風や光、触れるものとの関係によって、絶えず姿を変えます。
水の形とは、まさに「関係の中で現れる形」だと言えるでしょう。
形のない形に目を向ける
古代から人々は、水に特別な意味を見いだしてきました。
哲学者は「万物の根源は水である」と説き、東洋の思想は「水は柔らかくして剛を制す」と語ります。
芸術や文学においても、水は変化・浄化・生命の象徴として描かれてきました。
水を見つめることは、私たち自身を見つめることにもつながります。
形がないからこそ、あらゆる関係性の中で姿を変え、生きていく。
その在り方は、人間の柔軟さや創造性にも重なって見えるのです。